Firmianaの落書き

プログラミング関係のことを中心に書きます(多分)

学術オリンピックの非公式まとめサイトを作った話


はじめに

 先日Twitter(現X、一意性を優先して以下Twitterと書きます)の方で、「学術オリンピック非公式まとめサイト」と題したウェブサイト(GitHub Pagesで作成)を公開しました。

firmianai7z9.github.io

 需要は無いと思いますがブログなので(!?)、このサイト、および一緒に運用しているTwitterアカウント「学術オリンピック非公式お知らせbot (手動)」を作った経緯と、現在行っていること、および今後の展望について書きたいと思います。私事が結構入りますが、よければ読んでください。なお、以降では「競技科学」と「学術オリンピック」とを同じものとして扱っています(厳密には違うでしょう)。また、最後の「今後について」にはそこそこ周知したい内容も書いているので、そちらだけでも読んでいただけると幸いです。

https://twitter.com/acaoly_notifi

経緯

I - 競技科学に熱中するのが遅すぎた

 今回書く経緯の中でこれが最も重きを占めます。私が最初に競技科学に触れたのは、中学2年生のときに受けた日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)でした。学校からの案内で数学オリンピックの存在を知り、友人数名と一緒に出場しました。結果は3点と、本選以降には遠く及びませんでしたが、競技科学のほんの端に手を伸ばしました。ただ、この時点では数学オリンピック以外の学術オリンピックは知りませんでした(科学の甲子園には出ましたが)。

 その後、中学3年生と高校1年生のときには日本数学オリンピック(JMO)のみに出場し、高校2年生になって初めて物理チャレンジ(JPhO)と化学グランプリ(JChO)など、数学以外の学術オリンピックについて具体的に知り、興味を持って出場することに決めました。最終的に、数学、物理、化学に加え、日本天文学オリンピック(JAO)にも参加しました――が、他にも興味のあった地学(JESO)、地理(JGeO)、情報(JOI)のオリンピックには躊躇して出場しませんでした。

 高校3年生になって、この記事を書いている現在(二次試験半年前)までに物理と化学には出場し、地学、情報、言語学(JOL)には出場する予定です。ただ、受験期になって土日の模試が増えるにつれ、競技科学の大会が模試と被ったり、そもそも高3生に本選出場の権利が無かったりなど、国際大会に挑むチャンスや、物理、化学以外の分野での交流の機会を逃しました。高2までに身を入れて、受けたいものを全部受けておけばよかったと今も後悔していますし、これからも悔やむと思います。英語などコミュニケーションに自信が無いながらも、国際大会に出場した方々をSNS等で見て、勝手に憧れていたので。

II - 競技科学の情報を十分得られていなかった

 以上のように、私は自らが満足するほど競技科学に踏み込めませんでした。その原因として、競技科学自体を"私が"よく知らなかったということと、前述した「躊躇」があります。もちろん学術オリンピックの本選に進み、賞を獲得するには相当努力が必要なので、「私程度の実力で大丈夫か?(結果、大丈夫じゃなかった)」という躊躇いも含まれます。ただもう一つ、「独りで大丈夫か?」という心境があって、高2の間、地学や地理、情報など、参加できそうだった大会に参加しませんでした。

 私が住む四国は、競技科学での存在感があまりありません。すなわち、競技科学に参加している人数が単純に少ないと考えられます。例を挙げるなら、今年(2023年)の物理チャレンジ第2、化学グランプリ二次、生物学オリンピック本選*1への参加者約260名のうち、重複を許して計4人*2しか参加していません。単純に370万という四国の人口を考えれば100歩譲って妥当とも言えますが、同校内でのこうした競技科学の大会への参加意欲の低さは肌で感じます。

 何が言いたいかというと、私は高2の物理チャレンジ二次にて、コミュ弱であるがためにほとんど交流を行えなかったことを気にして、「どうにか同校の人と一緒に参加したい」と考えたため躊躇を生じていました。ただ、私自身が大会をよく知らず、さらに同校の人たちも、学校側等から十分情報を得られなかったために大会について知りませんでした。故に参加意欲が十分でなく、結果として競技科学に十分関わらなかったと考えます。Iで述べた、のめり込むのが遅かったという点も、これに起因するでしょう。

 実例を挙げるならば、同校の1年生や2年生が今年学術オリンピックに参加した、という話は一切耳にしませんでしたし*3、私と友人A(競技科学で非常に優秀な成績を残した)が物理や化学の大会を紹介し、参加を誘っても、非常に消極的に見えました。

まとめ

 以上2つの点から、ウェブサイト「学術オリンピック非公式まとめサイト」およびTwitterアカウント「学術オリンピック非公式お知らせbot (手動)」を作るに至りました。よって、これらの主な目的は「多くの人が競技科学の情報を十分得て、興味が湧いてきたなら参加する」という流れを実現することです。無論、参加したくない人に強制することはできませんが、少し気になっている人が少しでも早く、競技科学の大会に参加して、多く濃い経験を得られればいいな、と勝手に思っている次第です。

(もしかしたら、「自分の興味のある情報なら、学校や他者に頼らずに自分で集めろ」と主張する方がいるかもしれませんが、情報は発信されなければ集めようがありませんし、特に私の高校はこうした情報の発信に消極的なので、私はこの2つのツールを通じて従来の「集められる範囲」を広げている、広げようとしているだけです。勿論、自力で必要な全ての情報を集められるなら素晴らしいと思いますし、私も見習いたい)

 余談ですが、サイトと発信用アカウントをこのタイミングで作ったのは、夏休み明けで疲労が溜まり、勉強のモチベが下がっていたためです。たまたまHTMLやCSSJavaScript等、静的ウェブサイトを作る知識はあったので、先に述べた目標(と言えば大袈裟ですが)を実現するため、空いた時間にウェブサイト等を作成しました。上手いこと勉強のモチベが回復してwin-winです。さっさと勉強しようね

現在やっていること

 ここからは毒を吐かずに明るく、現在サイトやTwitterアカウントで行っていることを説明していきます。

I - これから開催される学術オリンピックについての情報

 ウェブサイトホームの上部「参加申し込み中・受付前の大会」や「スケジュール」ページ(上画像)*4にて、これから開催される学術オリンピックについての情報をまとめています。参加申し込み開始、〆切、予選や本選の日程、合宿日程、国際大会日程など、実際に参加する人はもちろん、参加しない・知らなかった人にも有益であろう情報を原則時系列順に掲載しています。また、分野毎に背景色を変えており*5、レイアウトの関係で文字が圧縮されてはいますが頑張って見やすくしています。

 さらに、Twitterアカウントでは、申し込み開始日、〆切1週間前、〆切日と、各選抜開催日、国際大会日程等を発信しています。また、各大会の公式アカウントからの情報もリツイート(リポスト)にて発信。様々な分野の情報を一か所で見つけられるようになっています*6

II - 過去の学術オリンピックについての情報

 過去に公式から掲出されたお知らせを中心に、数か月~1年分程度を掲載しています。ややレイアウトがごちゃごちゃしているため後々修正したいところではあり、また数学と物理以外の記載が現状間に合っていません。10月中を目途に全て掲載する予定ですので、予めご了承ください。

 なお、1年を過ぎた情報に関しては、サイトの「雑多置き場」に新たに「過去の情報」ページを追加し、そこに残していこうと考えています。

III - まだマイナーな大会の周知

 まだ開催回数が少なく、参加者が増える余地のある大会は複数あります。今年度に第3回を開催する天文学オリンピックや、昨年から国際大会へ代表を派遣することが決まったエコノミクス甲子園(経済オリンピック)などの情報も掲載しています。各分野の情報は、「コンテスト一覧」ページから各分野のバナーを探し、確認してください。なお、まだ情報が不十分な場所も多いため、迅速に充足させていきます。

IV - その他コンテンツ

 この形式のウェブサイトの運営が初めてで何をしたらいいか分からないので、息抜き的なコンテンツとして「競技科学あるある集」や「競技科学用語集」を準備しています。スクロールバーの長さが物語っていますが、私だけでは碌に思いつかないため皆様のご協力をお待ちしております。

今後について

 ここからは、私が考えるこのサイトおよびアカウントの今後の運用についての話を書きます。

I - 過去問リスト等の新規コンテンツ作成

 まずは機能の拡充です。現在のサイトでは主に情報の発信のみを行っていますが、今後以下のような機能の実装を考えています。

A - 過去問リスト

 各大会の過去問や解説などのリンク集になります。基本的には公式サイトで発見可能ですが、物理チャレンジ等、一部年次の解答を見つけにくいものもありますので、コンテスト対策に活用できるよう作成する予定です。具体的にどの程度網羅するかは決めていませんので、何かアイデアありましたらお寄せください。

B - 簡易カレンダー
私個人のアカウントで公開していた2023年度のカレンダー

 2023年度、ひょんなことから思いついて作成・公開した「科学系(+α)オリンピックカレンダー」が思いの外好評で(約120いいね)、次年度以降も欲しいという声があったため、当サイトおよびアカウントで引き継ぐ予定です。デザインについては、サイトでは上に示したようなリスト形式と月別のカレンダー形式を切り替えられるようにし、アカウントでは月ごとに月別カレンダーを、情報更新ごとにリスト形式の画像を投稿しようと思います。

C - リワードリスト

 各大会で受賞するための条件、および国際大会代表になるための条件・制約をまとめたページを作る予定です。こちらは実際に参加した方からの情報が命な部分もありますので、情報提供等よろしくお願いします。

II - サイトおよびアカウントの拡散

 今のところこれが最も重要かもしれません。運用開始3日目現在、アカウントのフォロワーは40人(ありがとうございます!!)、サイトの閲覧数は1,200件ほど、ユニークな閲覧者は168人(私を除く)です。当然ながら、もっと知名度を上げていきたい所存です。ただ、私個人のアカウントでは影響力が僅少すぎるので、ご協力いただける方は是非、アカウントとサイトについて拡散をよろしくお願いします。モチベにもつながりますので……

III - 既存コンテンツ・サイトデザイン等の改善

 現在あるコンテンツの改善と充足も必要です。例えば、「最新情報」ページは今のところ白紙ですが(!?)、当然これから情報を追加していきます。また、息抜き的なコンテンツである、あるある集と用語集も、作り始めたからにはある程度大きくしたいものです。さらに、サイトのデザインに関しては既にいくつか改善点が見つかっており、できるだけ早めに修正していく予定です。サイトデザインは、私のPCおよびスマホ(iPhoneSE)でしかチェックできていませんので、他の機種ではやや見辛かったり、レイアウトが崩れている可能性があります。もしそのようなことがあれば、早めに報告をお願いします。

IV - サイトおよびアカウントの運営

 サイトやTwitterアカウントの今後の運営方法もいずれは考える必要があるでしょう。現在は資金も人手も掛けられないため、サイトはGitHub Pages、SNSアカウントはTwitterのみという運用ですが、サイトのアクセス数が増え、GitHub Pagesのデータ制限に達してしまったり、Twitterが機能しなくなったりした暁には新たな運用方法が必要です。前者なら、レンタルサーバーを借りてサイトを移植する、後者なら別のSNSなどにも進出し情報を発信し続けるなどが考えられますが、いずれにしても、資金面や人手、私の後継などの問題もあるため、現状いい答えは出せていません。今はとにかく、このサービスを浸透させるまでです。

おわりに

 以上の文章では、かなり私自身の考えで好き勝手書きました。まずは不快に思われた方に謝罪します。申し訳ありませんでした。私自身、国内大会のみしか手を出せなかった身で「何を偉そうに語るのか」と思われた方は少なくないかと思います。しかし、私はその上で、私が日本の競技科学の発展に"選手として"十分寄与、というか関わることが出来なかったので、こうしてバックエンド側で支援をしていきたいと考えていることをご承知いただきたいです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。もしよろしければ、今後サイト「学術オリンピック非公式まとめサイト」、およびTwitterアカウント「学術オリンピック非公式お知らせbot(手動)」を使っていただけると、とても嬉しいです。


*1:地学オリンピック本選については、学校と都道府県の対応を調べるのをサボった私の怠惰で含めていません。

*2:うち、私が2人を占めます。

*3:参加してたら私の認知不足です、ごめんなさい

*4:スマホ等の画面では若干デザインが異なります

*5:各分野の色は独断と偏見に基づいています

*6:現状全ての公式アカウントを把握できていないので、順次フォローしていきます