Firmianaの落書き

プログラミング関係のことを中心に書きます(多分)

JChO2023参加記

 こんにちは、Firmianaです。物理チャレンジ参加記も書いたので、今度は化学グランプリの参加記も書くことにしました。気が向けば天文学オリンピックも書くかも……(なお需要)

 他の参加記はこちらから↓

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化学グランプリ(JChO)って何ですか

 化学グランプリは、名称は異なりますが国際化学オリンピックの代表選抜を兼ねているため、実質日本化学オリンピックです。毎年4月から応募が始まり、7月に全国の会場でのマーク式理論試験を行う一次選抜(予選)、8月後半にオフラインで実験試験を行う二次選抜(本選)、さらに二次選抜で優秀な成績を収めた高2以下から日本代表を選ぶ選考が9月以降行われます。参加者は約3000人で、2023年で第26回となります。通称は「神楽(化グラ)」が一般的です。

今回のスケジュール

 あくまでも私のものですが、参考までに書いておきます。JPhOと比べてスッカスカなので意味ないかもしれません……

4月

  • 15日ぐらい : 参加申し込み

6月

  • 15日ぐらい : 第1チャレンジの参加費振込用紙が来るので振り込む
  • ここら辺から過去問スタート

7月

  • 17日 : 一次選考(全国の会場)
  • 27日 : 第2チャレンジ進出通知が届く
  • 30日 : フォーム回答、必要書類提出

8月

  • 29日~30日 : 二次選考(東京都八王子市)

一次選考まで

 4月3日から申し込みが始まりましたが、物理同様学校で取りまとめる可能性を考え、4月半ばまで待ちました。しかし何故かこっちも音沙汰無かったので、友人2名と勝手に申し込みました。学校にはポスターすら無かったんですが。日本代表出てるんだぞもっと頑張れ

 化学グランプリの一次試験は理論のみなので、申し込んでから忙しいことはありませんが、過去問は計画的にやりましょう。私は7月16日にあった高校生クイズなどの関係で2年分しかできませんでした。まあ通ったからヨシ なお、生物学オリンピック予選と連続で出て両方通っている人がいて……

一次選考当日

 この手の競技科学分野には弱い弊県ですが、いざ会場に行くと70人ぐらいいてビビりました。某代表の効果でしょうか。また、例年電卓が配られるのですが、今年のはしょぼくて残念な気持ちに。後から会場にやってきた友人2人に熱い視線を送りますが気付かれません。

 そこそこ緊張しながら試験開始、何も考えずに1番を進めます。……何も考えていなかったせいか、有効数字を適当にしたせいで2問目から誤差で間違え、原子間距離なのに原子半径を答えるなど、いきなり5ミスを犯します。最後の問題は受験化学みたいな見た目でしたが解けず、35分経過で2番へ移ります。

 問題を開いた瞬間数学かな?と思いましたが、誘導に乗ればなんてことなく(1箇所間違えましたが)、電卓に根号計算機能が無いため問題になった  \sqrt{7} \approx 2.646 もゴリゴリ開平で求めて2番完答。ここまで約55分経過、かなりいいペースです。

 3番は無機で、確かケイ酸の問題でした。正誤問題の罠には掛かりませんでしたが普通に間違え、鉱物の化学式に妙に時間を取られました。何とか化学式は全問正解でしたが、その後の劈開を間違えました。今でもあまり分かっていません。3番は少し時間を食い、約100分経過で最終4番に入りました。

 4番は有機で、フロンティア軌道論とかいう分野(だったらしい)です。初見でしたが、2択を何度か外しつつ・・・・完走。最終問題も2択で外しました。悲しい。ここも中々考えたので、計150分で全問解き終わりました。

 見直しでいくつか正解を増やしましたが、終了後の自己採点では正解率83%と怪しげな数値に……。TLに260点(87%相当)がいて吐きそうになりましたが、某代表が「80%は安全」と言っていたのを信じ、結果を待ちます。

二次選考まで

 物理の方でも少し言及しましたが、化学グランプリの通知はレターパックで送られるので、結果発表は全国一斉。つまり一発勝負です。かなり緊張していましたが、Twitterで宣言を確認する前に届いて一安心。最初TLで参戦宣言していた人が全員JPhOとの二刀流だったのは少しびっくりしました。

(注 : 二次選考の対象になった人は、一次選考の得点等詳細は二次選考後に分かります。8月中旬に通知が届くのは二次選考に通らなかった人だけです。)

 ただ物理同様またもや一人で参戦です。うーん。

二次選考

1日目

主なイベント

  • 実験試験
  • 交流会

 8/28からの高校の実力テストを公欠できて気分上々のまま、飛行機で東京に行きます。なお自宅を5時半発になります。修学旅行は人数の関係で5時前とかだったから余裕。東京の鉄道にはそろそろ慣れて来たのか、スムーズに八王子到着成功です。Twitterで主張しますが塩化失敗。バスに缶詰にされて工学院大学に向かいます。

 開会式の後、初めての白衣を着込み、超広い実験室で実験試験スタートです。実は高校入学以来、化学実験は初めてなのでかなり緊張していましたが、TLCや滴定など難しそうな(※個人の意見です)ものではなく、液体まぜまぜがメインだったので救われました。これは易化だと思いつつ、4時間の実験試験のうち2時間を残して実験完了。残りの2時間は頑張って考察部分を埋めていきますが、合っているのか分かりません。時間の許す限り情報量を増やし、長文で殴りに行きました。正しい戦略かどうかは全く不明です。なお、問1の化学反応式は間違えました。

 実験終了後は片付けをしますが、交流会をしたい大人たちから「片付け中断、交流会行け」との命令が下ったので交流会にゴー。食事兼自己紹介タイムでしたが、コミュ弱を発揮して変な挨拶しかできませんでした。他の人々の自己紹介が面白すぎて辛かったです。同じテーブルに座っていた数人とは何とか仲良くなりました。

 交流会終了後ホテルに輸送されますが、疲れでホテルでの交流タイムはパス。すぐに寝ました。後から交流の様子を写真で見ましたが滅茶苦茶楽しそうだったので、絶対行きましょう。

2日目

主なイベント

  • 交流会(実験)
  • 表彰式

 2日目はお楽しみ実験からスタートです。一次選考の大問4で扱われたディールス・アルダー反応を実際にやってみよう、というものでした。試験のような無機の実験も新鮮でしたが、有機の実験はもっと新鮮(匂いも含めて)で、わざわざシクロペンタジエンの匂いを嗅ぎに来て「これこれ、ジエンの匂い」と嬉しそうに言う化学会の教授はなおさら新鮮でした。一緒に実験をしていた参加者は匂いに悶えていたんですがね。冷却器や吸引濾過も初めて体験し、出来た針状の白色結晶は大量に写真を撮りました。

 お楽しみの後は、どう見てもただの唐揚げにしか見えない油淋鶏の、梅干しが原材料からハブられている弁当を食べた後、いよいよ表彰式です。化学グランプリでは、一次選考突破の時点で銅賞以上が確定するため、銀賞以上が欲しいと思っていました。銅賞の参加者の名前が表示されますが……私の名前はありません。勝利を確信しました。

 次に銀賞の参加者が発表されますが……あれ、私の名前がありません。頭の上に?が浮かんだ気がし、そしてすぐ金賞の参加者の中に名前を見つけました……想定外で上手く反応できませんでしたが、金賞を獲得しました。とても嬉しい。

 その後は大賞と、特別賞の発表に続きます。何と総合1位の人は一次選考も二次選考も1位だそうです。さらに実験1位は同点で2人いるということを聞いて「へぇ~すごいなぁ」と思いつつ、もう余韻に浸っていると、いきなり名前を呼ばれました。私は実験同点1位らしいです。

 …………んん????????

 何も頭に入ってこないまま賞状とiPadを貰い、喜びの言葉なのに「よく分かりません」を連発しました。日本化学会様、良いコメントできなくて申し訳ない。そのまま、余韻で上の空になりながら帰宅しました。正直、これを書いている今でも実感はありません。

 参考までに、私の得点は理論(一次)が237点/300点、実験(二次)が141点/200点でした。一次が雑魚なため大賞を逃した感じらしい。

 ちなみに、化学グランプリの表彰は以下の通りです。これに加えて日本化学会の支部からの表彰もあるらしいですが、ここでは省略します。

賞名 条件
日本化学会特別賞 総合1位
夢・化学21委員会特別賞 実験1位※
工学院大学学長賞 中学生総合1位?
大賞 総合1~5位
金賞 総合6~20位
銀賞 総合21~40位
銅賞 総合41位~

※総合1位が実験1位の場合は実験2位

おわりに

 まずは4000文字オーバーの駄文を読んでいただきありがとうございます! 私の文章力の話は前回したのでもういいですね……

 今回は化学グランプリ2023の参加記として、私の体験を色々書きました。物理チャレンジと被るところも多々ありますが、この2日間で実験の面白さを実感し、加えて多くの化学・科学好きの仲間を得ることが出来ました。おまけに金賞+特別賞ももらえて超お得な2日間だったと思います。何度も言いますが、競技科学では仲間との交流が醍醐味なので、このような機会を逃すのはもったいないです。

 みんな、化学グランプリも参加しよう!!!!!!!!!